米中間選挙直前、AI株・セキュリティ株の動き

2026年10月の市況

9月版「債券投資のタイミング」を読んだ前提で、10月に変わった点を中心にまとめる

9月版からの変化

主な変化

項目

9月版

10月

米10年債

5.11%(9月23日)

10月5日に5.31%、30日は4.94%

日本10年債

3%超

2.88%(10月29日)

AI関連株

高値を更新

10月中旬に下落、下旬は Meta・Alphabet・Intel の決算で下落。CoreWeave の信用不安

上下院とも民主党の確率

49%(Kalshi)

71%(Kalshi、11月1日)

運用会社の基本シナリオ

ねじれ

上下院とも民主党に移る

出典:米財務省、財務省、Kalshi(公開 API、11月1日)、野村證券(9月の Kalshi)、BNY(2026年10月)

金利の動き

長期金利の水準

  • 米10年債は10月5日に年初来最高の5.31%、10月23日は5.00%、30日は4.94%

  • 米30年債は10月7日に5.67%、10月23日は5.33%、30日は5.31%

  • 日本10年債は9月末に3.06%、10月22日は2.91%、29日は2.88%

日本は日銀会合の10月30日の値がまだ出ていない。出典:米財務省、財務省

Note

9月版:米10年債 5.11%(9月23日)、日本10年債は3%超で約30年ぶりの水準

日米のイールドカーブ

日米国債のイールドカーブ(年初・9月24日・10月30日)

出典:米財務省、財務省(年初は米国1月2日、日本1月5日。最新は米国10月30日、日本10月29日)

長短金利差の変化

時点

米国(2-10年 / 10-30年)

日本(2-10年 / 10-30年)

9月24日

+31 / +29bp

+116 / +104bp

10月22日

+31 / +33bp

+100 / +104bp

10月30日(日本は29日)

+38 / +37bp

+97 / +108bp

  • 米国:10月7日に+51bp まで広がった後、再び縮小。10月30日は2年債の低下で2-10年がまた拡大

  • 日本:2-10年は縮小が続く。10-30年は10月29日に+108bp へ拡大

出典:米財務省、財務省のデータから算出

Note

9月版:米国は年初から縮小が続き、9月21日に年初来最小の+20bp。日本は7月まで拡大した後に縮小

FOMC と日銀

  • FOMC(10月28日):誘導目標3.75〜4.00%で据え置き。反対した Cook 理事と Hammack 総裁は、どちらも0.25%の利上げを主張

  • 日銀(10月30日):政策金利1.25%程度で据え置き(9月18日に1.00%から引き上げ済み)。賛成8・反対1で、反対の委員は1.5%を提案

  • 日銀は基調物価を「2%と概ね整合的」とし、今後は上振れのリスクに注意すると書いた。「達した」としたのは反対の委員だけ

  • 日銀は ETF の年間の売却を約3,300億円から約8,600億円(簿価)へ増やす。2027年1月から

  • 米10年債は FOMC の日に5.05%まで上げた後、30日は4.94%

12月の利上げの織り込みは7〜8割(OANDA・外為どっとコム、二次資料)。出典:FRB 声明(10月28日)、日本銀行「当面の金融政策運営について」・展望レポート(10月30日)、米財務省

米国の景気指標

指標

結果

7〜9月期 GDP 速報

年率+3.4%(予想+3.2%)

9月 CPI

前年比3.7%、コア2.6%。どちらも予想を上回る

9月 雇用者数

+2.9万人(予想は約9万人)。失業率4.2%

新規失業保険申請

19.4万件(10月24日までの週)。低い水準

9月 PCE 物価

前年比3.6%、コア3.1%。実質の個人消費は横ばい

9月 ISM 製造業

54.5。9か月続けて50を上回る

予想は二次資料の集計。ISM サービス業、消費者信頼感は確認していない。10月分は ISM 製造業が11月2日、雇用統計が11月6日。出典:BEA(PCE は10月29日公表)、BLS、米労働省、ISM(PNC 経由)

Note

FOMC の声明は景気を「力強いペースで拡大」と表現。12月の利上げの確率は8割台(CME FedWatch、10月28日、二次資料経由)

10月のAI関連株と信用不安

10月の動き

日付

出来事

10月13日

韓国発の半導体株安。CoreWeave の社債利回りが15%に

10月14日

CPI 上振れで利上げ観測。CoreWeave 株 −15.5%

10月15日

CoreWeave の CDS が一時1,140bp。株価は +5.9%

10月16日

ナスダック100 −2.3%(過剰投資・資金繰り・利回り)

10月22日

Meta 決算後にナスダック −2.6%、Meta −7%。CoreWeave −10% で17カ月ぶりの安値

日付は米国時間。10月14日はナスダックも大幅安。出典:CNBC(10月14・15日)、OANDA(10月14・19日)、野村総合研究所 木内登英(10月15日)、The Money Overview・CappNotes(10月22日)

10月下旬の決算後の株価

日付

出来事

10月29日

Alphabet −12.6%。時価総額は約5,000億ドル減り、上場以来最悪の1日

10月30日

Intel −28.6%。10〜12月期の見通しが弱く、1970年代以来最悪の1日

10月30日

Amazon −1.4%(寄り付きは約−5%)。ナスダック総合 −2.9%、10月の月間は −5.3%

終値ベース。Microsoft の終値ベースの騰落率、10月22日以降の CDS、Meta の起債は確認していない。Apple の決算は11月2日の予定。出典:Fox Business(WSJ の数値)、CNBC(10月30日)、Yahoo Finance、FRED、Intel 決算発表(SEC)、Financial Times の見出し

ハイパースケーラーの決算

会社

内容

Amazon

直近12か月のフリーキャッシュフローが −424億ドル。長期債務は656億ドル(2025年末)から1,731億ドルへ。最大約800億ドルの担保付き融資枠も開示

Alphabet

長期債務は1年で216億ドルから1,251億ドルへ。2027年の設備投資は「大幅に増える」

Microsoft

7〜9月期の設備投資は452億ドル(+30%)。10〜12月期は500億ドル超

長期債務は9月末時点。Amazon の融資枠は 10-Q だけに記載(2027〜28年に引き出し、購入した資産が担保)。Microsoft は決算説明会の書き起こし(二次資料)。出典:Amazon 決算発表(10月29日)・10-Q、Alphabet 10-Q、CNBC(10月28日)

Note

AI の単価:OpenAI と Anthropic の平均単価は1か月で −27%、トークン量は +37%(Ramp AI Index、10月23日までの週。Ramp の利用企業の一部)

CoreWeave の負債

項目(6月30日時点)

金額

借入(会社全体が返済義務を負う分)

314億ドル(前期末207億ドル)

借入(特定の資産に限られる分)

37億ドル

リース負債(1年を超える分)

157億ドル

元本の返済(2026年の残り / 2027年)

44億ドル / 62億ドル

受注残

1,037億ドル

4〜6月期の純支払利息は6.4億ドル(前年同期の2.4倍)。9月に転換社債42億ドルを追加で発行。出典:CoreWeave 10-Q(2026年第2四半期、8月12日提出)、8-K(9月22日)

信用不安の広がり

  • CoreWeave の5年物 CDS は約1,038bp(1年前の2.6倍)。1,000bp 超は信用の悪化の目安

  • Oracle の CDS は282〜288bp で、1週間に約1割上昇

  • Amazon・Alphabet・Meta・Nvidia の CDS も過去最高。ただし上がり方はずっと緩やか。Meta は10月20日に114.8bp(場中)

  • Meta は7〜9月期のフリーキャッシュフローが −21億ドル。資金調達にも使える C クラス株の新設を決め、年内の社債発行が見込まれている

  • 「営業キャッシュフローの裏付けのない AI の債務に、市場はノーと言っている」(Evercore ISI)

Meta 以外は10月15日時点。出典:CNBC(S&P Global Market Intelligence)、Reuters(S&P・LSEG)、Tiger Brokers(10月21日)、Meta 決算発表(10月21日)

Note

9月版:ハイパースケーラーの起債は、長期社債が30年国債と買い手を奪い合う経路として扱った

信用の指標

社債スプレッド

9月30日

10月のピーク → 29日

AA 格

0.60%

0.67%(23日)→ 0.65%

投資適格全体

0.84%

0.91%(23日)→ 0.89%

ハイイールド

3.12%

3.40%(22日)→ 3.26%

  • 10月22〜23日をピークに縮小。CoreWeave・Oracle の CDS は10月中旬より後の値、Meta の起債は確認していない

出典:ICE BofA(FRED 経由)

信用不安が広がる経路

経路

中身

循環的な取引

大手が出資した先が、大手の製品やサービスを買う。IMF は14件・1.4兆ドルの受注約束を確認

借入への移行

ハイパースケーラーのフリーキャッシュフローが減り、借入とオフバランスの調達が増加

プライベートクレジット

AI 関連への貸出残高はほぼゼロから2,000億ドル超へ

出典:IMF 国際金融安定性報告(10月13日、The Next Web 経由)、イングランド銀行 金融安定報告(7月)、BIS Bulletin 120・137

きっかけか、複合要因か

見方

資料との合い方

CoreWeave が単独の引き金

合わない。9月から金利高で軟調、最大の下げは CPI と同じ日

複合要因、CoreWeave はその表れ

最も合う

複合要因が CoreWeave で表面化

ありうる。ただし CPI と重なり区別できない

複合要因=金利上昇、AI 投資の回収への疑い、借入への依存

要因を数字で分けて測った資料は見つからなかった。2000〜02年のデータの研究では、株価が CDS より先に動いた。出典:野村総合研究所 木内登英(10月15・19日)、Reuters、Norden & Weber(2004)

Anthropic の上場申請

  • 10月26日に上場の届出書(S-1)を公開した。Nasdaq に上場予定で、ティッカーは「ANT」。価格帯と上場日は空欄

  • 150億ドルの融資枠は、ほぼ全資産が担保。大手3社のうち2社から投資適格を得れば、担保を外せる

  • 計算資源の契約は2045年まで続く。総額は空欄

報道の「2045年までに8,000億ドル超」は、この S-1 では確かめられない。出典:SEC EDGAR、Anthropic の S-1(10月26日提出)

Anthropic の格付けをめぐる報道

内容

確かさ

KBRA が6月に BB+(投資適格の1段下)

FT の見出しと二次記事

Blackstone「上場直後の投資適格は難しい」

FT の見出し(遅くとも10月30日昼、米国時間)。本文は未確認

Moody’s・S&P・Fitch の格付け

まだ出ていない

上場の日程と規模

報道どうしで食い違う

Blackstone は Anthropic の債務を約90億ドル持つ当事者(二次記事)。出典:Financial Times の見出し、The Currency Analytics(10月31日)

Anthropic の格付けをめぐる報道

Important

信用不安は CoreWeave と Oracle に集中し、大手には緩やかにしか広がっていない。ただし大手の借入は急増し、Anthropic の格付けは上場後に決まる。債券では、大手の社債スプレッドが広がるかが次の注目点(AA 格は10月22日に0.65%で2025年4月以来の広さ。23日に0.67%まで広がり、29日は0.65%。ICE BofA、FRED 経由)

米中間選挙(投票直前の情勢)

中間選挙の概要

  • 投票日は11月3日。上院は35議席が改選

  • 下院は共和党218・民主党214・無所属1(空席2)

  • 民主党は上下院とも、差し引き4議席の上積みで過半数

  • 下院で民主党が過半数を取る確率は約95%(Silver Bulletin)。Cook は民主党227〜240議席と予想

  • 上院は接戦。民主党の勝率は予測により60〜78%

予測は10月29〜30日時点。出典:NPR(10月8日)、Silver Bulletin・Cook Political Report(Newsweek 経由、10月30日)

Note

支持政党の世論調査:民主党が8.9ポイントのリード(Silver Bulletin の平均、10月30日)。9月版は8〜12ポイント

上院の予測

予測

民主党の勝率

Silver Bulletin

77.7%(10月19日は75%)

Kalshi / Polymarket

72% / 72%(10月24日は66% / 67.5%)

DDHQ

60%(同56%)

  • 拮抗州は7州のまま:AK・IA・KS・ME・MI・OH・TX(Cook、10月30日)

  • Cook は民主党の上積みを2〜6議席とみて「やや優勢」。世論調査が共和党を低く見ていれば、共和党が過半数を保つ

Silver Bulletin・DDHQ は10月29日の更新。Kalshi・Polymarket は11月1日(日本時間)に公開 API から取得。出典:Newsweek(10月30日)、NPR(10月30日、Cook のレーティング)

拮抗州の世論調査

州

リードしている候補

MI・OH・TX

民主党(+2.1〜+3.2)

AK・ME・KS

民主党(+0.2〜+1.4)

IA

共和党(+0.5)

  • 7州すべてで差は4ポイント以内。統計的にはどれも互角

  • Inside Elections は10月23日に TX を「拮抗」へ移した

RealClearPolling の平均(Newsweek が10月30日に確認、RCP 本体とは照合していない)、Inside Elections(270toWin 経由)

予測市場の確率

シナリオ

Kalshi

Polymarket

上下院とも共和党

6%

5%

上院は共和党・下院は民主党

27%

23%

上下院とも民主党

71%

71%

11月1日(日本時間)に各社の公開 API から取得。「下院は共和党・上院は民主党」は省略。BNY も10月に、上下院とも民主党を50〜60%で最有力とみる

Note

9月版:「上下院とも民主党」は49%(Kalshi、9月14日)。アナリストの多くは「ねじれ」を最有力とみていた

Note

10月24日:上下院とも民主党 67% / 66.5%、上院は共和党・下院は民主党 24% / 24.5%、上下院とも共和党 8.9% / 8.5%(Kalshi / Polymarket)

選挙直前の米国債

  • 10年債は10月5日に5.31%、10月23日は5.00%、30日は4.94%

  • 10月22日は全年限で低下(2年 −16bp、10年 −17bp)。Meta 決算後の株安(ナスダック −2.6%)と同じ日

  • 米国債ショートは、運用者の「混雑した取引」の2位(BofA、10月2〜8日の調査)

  • 同じ日、ヘッジファンドは主要3戦略がそろって1%超の損失。パンデミック以来

  • 10月28日の FOMC は据え置き(実効 FF 金利 3.88%)。反対の2人は利上げを主張

株安と金利低下の因果を分けて測った資料は見つからなかった。出典:米財務省、FRB H.15(2026年10月22日公表)、FRED(ナスダック総合)、BofA Global Fund Manager Survey(investingLive 経由)、Goldman Sachs のプライムブローカーのノート(Reuters 10月23日経由。ノートの原文は未確認)

シナリオ1:上下院とも共和党

確率は6%(Kalshi)・5%(Polymarket)

対象

見方

米国債

  • 減税と支出で国債の供給が増え、最も重い(BNY)

  • 10年債は5.5%超で推移(ING)。国債は売られる(Standard Chartered)

ドル

  • 3つのシナリオで最もドル高(ING、Standard Chartered)

  • ドル安が続く見通しの唯一の例外(野村)

出典:BNY「US Midterms 2026」(2026年10月)、ING THINK(10月15日)、Standard Chartered(Reuters・FXStreet 経由、10月下旬)、野村證券 後藤祐二朗(9月16日)

シナリオ2:ねじれ(上院は共和党・下院は民主党)

確率は27%(Kalshi)・23%(Polymarket)

対象

見方

米国債

  • 総じてプラス。ただし政府閉鎖・債務上限で長期金利が振れる(BNY、Morgan Stanley)

  • 短期は低下、長期は5.25〜5.5%(ING、年限の記載なし)

ドル

  • ほぼ織り込み済み(ING)。ドルを支える(T. Rowe Price)

  • 財政で景気を支えにくく、FRB の利上げの可能性が下がる。ドル安が続く(野村)

財政

2回目の暫定予算(2027年1月か3月まで)が有力(Holland & Knight)

出典:BNY(2026年10月)、Morgan Stanley(8月5日)、ING THINK(10月15日)、FXStreet(10月21・26日)、野村證券(9月16日)、Holland & Knight(10月9日)

Note

9月版:アナリストの多くは、このシナリオを最有力とみていた

シナリオ3:上下院とも民主党

確率は71%(Kalshi)・71%(Polymarket)。金利の方向は見方が割れる

対象

見方

米国債

  • 財政の刺激が GDP 比で約1%増え、長期債に慎重(Carmignac)

  • 短期に上昇圧力、10年債は5.5%近くまで(ING)

ドル

  • やや弱い(ING)。ドル安と2027年の債務上限の攻防(FXStreet)

  • 短期はドル高との逆の見方も(Corpay)

出典:Carmignac(RankiaPro 経由、10月19日)、ING THINK(10月15日)、FXStreet(10月21・26日)、Reuters(Kitco 経由、10月30日)

シナリオの3枚に共通:確率は11月1日(日本時間)の公開 API の値。ING と Wells Fargo は10月15日の資料で、10月下旬に見方を改めたかは確認できていない。各社のレポート原文は、ING・BNY 以外は未確認。10月20日以降に各社が数値の見通しを出し直したかは、11月1日に調べ直しても確認できなかった

Note

9月版(野村):超長期金利は小幅に低下。Carmignac とは逆の見方

上下院とも民主党でも残る大統領の拒否権

  • 拒否権を覆す3分の2にも、フィリバスターを破る60票にも届かない。大きな法律は通らない

  • 民主党の手段は、歳出・債務上限の交渉と議会調査にほぼ限られる。赤字は減らない

  • 12月11日の期限は、つなぎ予算で新議会へ先送りの見方。債務上限は2027年前半〜半ばに到達

  • 米国債:選挙直後はいったん低下、債務上限の交渉が近づくと上昇(Schroders、Bergos)

米国債の見方は、共和党が多数を失う場合全般についてのもの。債務上限での妥協で赤字が GDP 比約1%広がりうる(Schroders の推計、結果を問わない)。出典:Citi のポッドキャスト書き起こし(10月27日)、J.P. Morgan Private Bank(10月19日)、J.P. Morgan AM、Bergos(10月19日)、Schroders(9月23日)、CSIS(10月28日)

結果で変わらない財政の道筋

  • 財政赤字は、どの結果でも GDP 比6%前後が続く見通し

  • CBO:2026年度 1.9兆ドル(GDP 比5.8%)→ 2036年 3.1兆ドル(6.7%)

  • 民主党は医療、共和党は防衛に支出したい。どちらも増税は望まない

  • Wells Fargo はどの結果でも赤字が広がるとし、2027年末の10年債を5.25〜5.75%と予想(10月15日)

  • 10年債のタームプレミアムは1.40%pt(1年前は1.14%pt)。ただし推計のモデルで水準が大きく違う

NY連銀の ACM モデルでは0.66%pt(10月29日)、FRB の Kim-Wright モデルでは0.94%pt(10月23日)。出典:J.P. Morgan Private Bank(2026年10月19日、SF連銀の推計を引用)、NY連銀、FRED、BNY、Neuberger Berman(RankiaPro 経由)、Mirabaud(9月8日)、Wells Fargo Investment Institute

結果で変わらない財政の道筋

Important

長期金利を動かすのは選挙の結果より財政とタームプレミアム、というのが運用会社の大勢の見方

選挙後の日程

  • 12月11日:暫定予算の期限。少なくとも1回の政府閉鎖が起きる可能性が高い(BNY)

  • 2027年度の歳出法案12本のうち、下院を通ったのは3本。ねじれなら、2回目の暫定予算(2027年1月か3月まで)が有力(Holland & Knight)

  • 2027年夏の半ばまでに債務上限が争点になりうる(ING)

  • 財政をめぐる対立は、長期金利の上昇圧力と変動を高めうる

期限を変える法律は11月1日までに見当たらない。10月下旬の交渉の動きは確認できていない。出典:BNY「US Midterms 2026」(2026年10月)、Holland & Knight(10月9日)、Jones Walker(10月13日)、ING(10月15日)

Note

9月版:選挙直後は追加財政が難しくなり金利は低下しやすい。2027年半ばの債務上限が次の焦点

ドル円と外債

  • 上下院とも共和党の場合を除き、ドル安が続く見通し(野村)。為替ヘッジなしの外債には、為替差損のリスク

  • ドル円はこの1か月、156〜159円で推移。10月30日は日銀の据え置きの後、NY 序盤に156円台へ円高

  • 日米の翌日物金利の差は約2.7%pt(SOFR 3.94%、TONA 1.23%)。ヘッジ付きの米10年債は、差し引き2%台前半の目安

目安は通貨ベーシスを含まない概算で、ヘッジコストの実測値ではない。SOFR は10月29日(NY連銀、FRED 経由)、TONA は10月28日(日銀)。ドル円は FX 業者の報道(外為どっとコム・OANDA・みんかぶ、10月30日)。Commerzbank は「選挙の為替への影響は短中期では限られる」(Reuters、10月30日)。出典:野村證券 後藤祐二朗(2026年9月16日)

為替介入と当局の発言

  • 財務省は2026年に2回の局面で介入。4〜5月に3回で計11.7兆円の円買い、7月30日〜8月26日に15.4兆円

  • 8月27日以降は0円(直近は9月29日〜10月28日)

  • 片山財務相は10月27日の国会で「断固たる措置をとる用意がある」「高い緊張感を持って注視」

7月30日〜8月26日の日ごとの内訳と売買の向きは11月9日に公表予定。発言は Reuters 配信の転載とみんかぶ(10月28日)で、議事録は未確認。出典:財務省「外国為替平衡操作の実施状況」

アノマリーの統計の限界

  • 大統領の任期と株式リターンの関係は、統計的に有意でない

  • 中間選挙の翌年の平均は高いが、年ごとのばらつきが大きい

出典:Cambridge Associates「The Presidential Cycle: Less Than Meets the Eye」(1926〜2015年)

Note

9月版:標本は19〜24回と少なく、期間の取り方で数字が変わる

AIによるサイバー攻撃とセキュリティ株

AIで攻撃が速くなった

指標

値

対象期間

AIを使う攻撃者の活動

前年比+89%

2025年

侵入から社内の他の端末へ広がるまで

平均29分(最速27秒)

2025年

脆弱性が悪用されるまでの日数

平均−7日(修正版より先に悪用)

2025年

PoC の公開から48時間以内の悪用

悪用全体の88%

2026年1〜6月

出典:CrowdStrike Global Threat Report(2月24日)・Threat Hunting Report(8月3日)、Mandiant M-Trends 2026

AIを使った侵害の割合

  • 悪意ある侵害の4件に1件が AI を使っていた(前年比+56%)

  • 1件あたり平均600万ドル。全体の平均499万ドルより約100万ドル高い

  • 日本ではランサムウェアの被害報告が1〜6月に123件で、半期の過去最多。ただし AI との関係は統計にない

出典:IBM Cost of a Data Breach Report 2026(7月29日、Ponemon Institute の調査)、警察庁「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(9月)

5〜10月の事例

時期

出来事

4〜6月

クラウドに侵入した攻撃者が、AI のエージェントで認証情報を大量に盗む作戦を6時間未満で実行

9月2日公表

AI のエージェントがランサムウェアの侵入を10時間未満で完了。人手なら約2週間

9月公表

自律型の攻撃の進め方が、調べたすべての種類の攻撃者に広がった

10月21日公表

Claude Code を指揮役にした自律型の侵入ツールで、アルゼンチンの医療機関の少なくとも15組織に侵入(5〜8月の活動)

CrowdStrike によると、エージェント型の侵入は2026年下半期(途中まで)に上半期の約3倍(二次報道)。出典:Google Threat Intelligence Group(9月8日)、Palo Alto Networks Unit 42(9月2日)、Anthropic「Countering misuse of AI: September 2026」、CrowdStrike Counter Adversary Operations(10月21日)、Cybersecurity Dive(10月22日)

割り引いて読むべき点

  • 数字の多くは、セキュリティ製品を売る会社が出したもの。「AI を使った」と数える基準も会社ごとに違う

  • Microsoft も「完全に自律した攻撃が急に当たり前になったわけではない」と書いている

  • 警察庁は AI による攻撃の件数を出していない。自動化した攻撃は「今後増える可能性」の扱い

出典:Microsoft Digital Defense Report 2026、警察庁(9月)

Note

言えるのは「速さと割合の増加」まで。AI による攻撃の件数の急増を示す中立な統計は見つからなかった

株価は2回揺れた

日付

出来事

2月20日

Anthropic が Claude Code Security を発表。発表後の数日で CrowdStrike −18.4%、Palo Alto −7.3%

3月27日

Claude Mythos の情報が漏れ、セキュリティ株が売られる

4月上旬

Mythos Preview の正式公表で再び売られる

10月1日時点

セキュリティの ETF の1年の騰落率は CIBR +35%、HACK +39%

10月

月間で CIBR −2.0%、HACK +2.7%。23日からの1週間は −4.8%、−2.6%

売られた理由は「AI が既存の製品を置き換える」、その後の上昇は「AI の時代ほどセキュリティが要る」(記事と経営陣の発言からの解釈)。値幅は記事の引用。出典:BankInfoSecurity(2月23日)、Nasdaq、NerdWallet(Finviz の値)、Yahoo Finance(10月の終値)

決算に表れた需要

会社

内容

CrowdStrike

「Mythos の出来事で、AI の導入にはセキュリティが要ると広く受け入れられた」。純新規 ARR の伸びの見通しを6.3ポイント引き上げ

Palo Alto

「AI の進歩で、セキュリティが CIO の優先順位の最上位に」。1四半期で純新規 NGS ARR 約10億ドル

サイバーセキュリティクラウド

「AI により攻撃の量と速度が急上昇」。AI 向けの新製品を投入。上期の営業利益+30%

トレンドマイクロ

AI のトークン費用などで、通期の営業利益の予想を564億円から444億円へ下げた(8月13日)

AI による需要の分を切り出した開示はない。Palo Alto の ARR は CyberArk の買収分を含む。出典:各社の決算発表・決算説明資料(7〜9月)

10月の決算に表れた需要

会社(発表日)

内容

Fortinet(10月28日)

「ネットワークセキュリティは AI セキュリティの基盤」(CEO)。売上 +20%、請求額 +29%。請求額の通期予想は年内3回目の引き上げ

F5(10月27日)

「フロンティア AI が企業セキュリティのルールを書き換えている」(CEO)。売上 +13%、製品 +23%で9四半期続けて2桁の伸び

発言は経営陣のもので、AI による需要の分の開示はない。Check Point は11月2日、Cloudflare と HENNGE は11月5日に発表予定。出典:Fortinet 8-K(Exhibit 99.1)、F5 の決算発表

セキュリティの分類(通信の経路)

分類(守る場所)

米国の主な企業

日本の主な企業

エッジ(Web サイトの手前)

Cloudflare、Akamai、Fastly、F5

サイバーセキュリティクラウド(WAF)

ネットワーク(ファイアウォール装置)

Fortinet、Palo Alto、Cisco

—

ネットワーク(SASE)

Zscaler、Cisco、Palo Alto、Fortinet

—

メール

Proofpoint(非上場)、Microsoft

HENNGE(誤送信対策)、デジタルアーツ

シェアの値を公開データで測れるのは、エッジとネットワークの2層だけ。出典:W3Techs、Dell’Oro、IDC、各社の 10-K・決算資料

セキュリティの分類(守る対象)

分類(守る対象)

米国の主な企業

日本の主な企業

端末(エンドポイント)

CrowdStrike、SentinelOne、Microsoft

トレンドマイクロ、FFRI

ID(ログイン)

Okta、Microsoft

HENNGE

クラウドの設定と稼働

Wiz(Google が買収を発表)、CrowdStrike、Palo Alto

—

運用(ログの分析、SIEM)

Splunk(Cisco)、Microsoft

—

この4層はシェアの値が公開されておらず、調査会社の評価と継続率で見る。Microsoft はほぼすべての層で上位に入る。出典:Gartner・IDC の評価(各社の発表経由)、各社の 10-K

勝ち組の条件

勝ち組

値崩れしない層でシェアを持ち、そのシェアからデータがたまる循環が回り、乗り換えコスト・リスクが高い位置に入り込んでいる企業

条件

何で測るか

公開データ

値崩れしない層でシェア

層のシェアと、その層の価格の動き

シェアの値はエッジとネットワークだけ

データの循環

通る通信やセンサーの量

各社の自社公表だけ

乗り換えコスト・リスクが高い

既存顧客の売上の伸び(純継続率)、解約率

定義が会社ごとに違う

採点はしていない。条件ごとに確かめられた事実を並べる。出典:W3Techs、Dell’Oro、IDC、各社の 10-K・決算資料

シェアを測れる層の候補

層

候補

根拠

エッジ(Web の手前)

Cloudflare

全ウェブサイトの28.0%が利用(2023年10月は18.5%)

ネットワーク(SASE)

Zscaler、Palo Alto

売上で1位 Zscaler(2位 Cisco と1ポイント未満の差)、3位 Palo Alto

ファイアウォール装置

Fortinet、Palo Alto

シェア21.3%と21.0%で同率1位(2023年)

出典:W3Techs(10月26日)、Dell’Oro(2025年7〜9月期)、IDC(2023年4〜6月期)

シェアを測れない層の候補

層

候補

根拠

端末(エンドポイント)

CrowdStrike

既存顧客の売上の伸び115%。調査会社の評価でリーダー

ID(ログイン)

Okta

調査会社の評価でリーダー(9年連続)

ID(国内)

HENNGE

国内 IDaaS で4年連続1位(自社発表、%は非公開)。月次の解約率0.30%

シェアの値の代わりに、継続率と調査会社の評価を使う。出典:CrowdStrike 10-K、Okta・HENNGE の発表、HENNGE 決算短信

装置の買い替え

会社

2026年の数字

Fortinet

製品(主に装置)の売上 +52%(4〜6月期)

F5

装置の売上 +32%、ソフトウェアは +7%(4〜6月期)

Cisco

ファイアウォールの受注 +30%超(2四半期連続)

  • 2025年の装置の市場は1桁台前半の伸びだった。論点は、買い替えが一巡した後

  • 暗号の鍵を守る専用装置(HSM)にも、耐量子暗号への移行という期限つきの需要(米国の連邦政府機関は2030〜31年)。ただし市場は約20億ドルと小さく、首位の Thales は防衛の大企業

出典:Fortinet・F5 の決算発表(7月)、Cisco の決算説明(8月)、Dell’Oro(2025年12月)、大統領令14412(6月22日、解説記事経由)、ABI Research(Thales 経由)

注目4社以外の候補の強みと弱点

候補

強み

弱点

Palo Alto

装置と SASE の両方で上位。FCF マージン36%

買収分を除く伸びは約14%。売上の30%が販売代理店2社経由

Zscaler

SASE の売上で1位

SD-WAN を持たない。SASE は両方をそろえるベンダーへ集約されるとの予測

Okta

ID の評価でリーダー。7,000超のアプリと連携

純継続率が111%→107%→106%と低下

SASE の予測は Dell’Oro(2029年に90%)。出典:各社の 10-K、SEC の XBRL、Dell’Oro

条件を満たさない例

  • Akamai:配信の売上が15.42億ドル(2023年)から12.57億ドル(2025年)へ減少。契約更新時の値下げを開示。網の規模は大きくても、値崩れする層にいる

  • Microsoft:ID・クラウド・ログ分析などの調査会社の評価でリーダー。OS やクラウドとまとめて売れるので、同じ層の専業には脅威

出典:Akamai 10-K(2025年度)、Gartner・IDC の評価(各社の発表経由)

候補のバリュエーション

候補

売上の伸び

EV÷フリーキャッシュフロー

Cloudflare

33.5%

284倍

CrowdStrike

24.3%

165倍

Palo Alto

24.5%(買収分を除くと約14%)

72倍

Zscaler

25.4%

48倍

Fortinet

20.2%

28倍

直近12か月の業績(Fortinet は9月末まで、ほかは6〜7月末まで)と10月30日の終値。Okta は11.2%・36倍。HENNGE は日本基準のため並べていない(PER 約41倍)。出典:SEC の XBRL、Yahoo Finance

Note

10月の株価:Cloudflare −19%、Fortinet −24%、Palo Alto −8%、CrowdStrike −5%、Zscaler +19%、HENNGE +18%(9月30日→10月30日の終値)

候補のバリュエーション

Important

AI は攻撃を速くし、セキュリティの需要を押し上げている。同時に既存の製品を置き換える脅威でもある。株価はすでに高い伸びを織り込んでいる

注目企業:Cloudflare

Cloudflare:Web の手前の入口

条件

根拠

値崩れしない層でシェア

全ウェブサイトの28.0%が利用(1年で+8.2ポイント)。売上の側に値下げの兆しはない

データの循環

毎月数兆のリクエストが通る。PHP2Shell では公表の約9時間前に、無料を含む全 WAF 利用者へ防御を適用

乗り換えコスト・リスクが高い

サイトの DNS と通信の経路そのもの。純継続率120%

  • 数字:売上の伸び33.5%、EV÷FCF 284倍。粗利率が2年で6ポイント低下(77.8%→71.8%)

  • 論点:事業は3条件を満たす。この値段に見合うか

直近12か月、10月30日の終値。出典:W3Techs(10月26日)、Cloudflare の 10-Q・ブログ、SEC の XBRL

Cloudflare の強みとリスク

強み

リスク

  • エッジのシェアが1年で+8.2ポイント

  • 純継続率120%(前年111%)

  • 4社で最も速い伸び(4〜6月期 +36%)

  • 公表前に防御を届けた実績(PHP2Shell)

  • EV÷FCF 284倍、SBC÷売上20%

  • 粗利率が2年で6ポイント低下。最大の原価項目の中身は未開示

  • 配信の単価は業界で値崩れ(Akamai の開示)

出典:W3Techs、Cloudflare の 10-K・10-Q・ブログ、Akamai の 10-K、SEC の XBRL

Note

7〜9月期の決算は11月5日の引け後に発表予定(会社の発表)。会社の予想は売上7.36〜7.37億ドル

注目企業:Fortinet

Fortinet:装置から SASE まで1社で

条件

根拠

値崩れしない層でシェア

ファイアウォール装置のシェアで Palo Alto と同率1位(2023年4〜6月期)。装置の売上 +52%。粗利率80%

データの循環

装置の上で動く脅威情報の更新と、自社で運営する SASE。データ量の公表は見つからない

乗り換えコスト・リスクが高い

ファイアウォールから SASE までを1社でそろえる。専用半導体を自社で設計。継続率は非開示

  • 数字:売上の伸び20.2%(直近12か月)、請求額 +29%(7〜9月期)、EV÷FCF 28倍、SBC÷売上4%

  • 論点:7〜9月期の製品は+37%で、7月の会社予想からの逆算(下期 約+18%)を上回った。ただし4〜6月期の+52%からは鈍化

下期の伸びは7月の通期予想と上期の実績からの自前の計算。出典:Fortinet の決算発表(7月29日・10月28日)・10-K・10-Q、IDC、SEC の XBRL

Fortinet の強みとリスク

強み

リスク

  • 4社で最も低い倍率(EV÷FCF 28倍)。SBC÷売上4%

  • FCF マージン44%、粗利率80%

  • SASE の請求額 +35%、FortiSASE は2倍超

  • 専用半導体を自社で設計

  • 伸びは装置の買い替えの山。製品の伸びは+52%から+37%へ鈍化

  • サービスの伸びは約+13%にとどまる(7〜9月期)

  • 部品の値上がりを価格に転嫁している

  • 継続率は非開示

出典:Fortinet の決算発表(7月29日・10月28日)・決算説明(書き起こし、二次資料)・10-K・10-Q、SEC の XBRL

Note

10月28日の7〜9月期決算:製品 +37%(4〜6月期は+52%)、請求額 +29%。通期の売上予想は上げ、サービスは下げた。株価は29日の終値139.10ドル(−20.1%)、30日は136.08ドル(8-K、Yahoo Finance、Seeking Alpha)。倍率は30日の終値と9月末までの直近12か月(10-Q、10月30日提出)で計算

注目企業:CrowdStrike

CrowdStrike:端末の中のセンサー

条件

根拠

値崩れしない層でシェア

端末の保護。シェアの公開データはなく、評価でリーダー

データの循環

週に数兆のイベントを分析。後から製品を足せる契約(Falcon Flex)の ARR が +101%

乗り換えコスト・リスクが高い

OS の中心部で動くセンサー。純継続率115%。障害(2024年7月)の補償で契約の縮小が増えた

  • 数字:ARR +25%、新規 ARR +51%(5〜7月期)、EV÷FCF 165倍、SBC÷売上23%

  • 論点:2月に AI による置き換えの懸念で −18.4%。SBC を引くと割高が際立つ

出典:CrowdStrike の決算発表(Q2 FY27)・10-K、SEC の XBRL、BankInfoSecurity(2月23日)

CrowdStrike の強みとリスク

強み

リスク

  • 新規 ARR +51%。通期の見通しを34%に引き上げ

  • 後から製品を足せる契約(Falcon Flex)の ARR が2倍

  • 純継続率115%(前年112%)

  • 米国政府の最高水準の認証(FedRAMP High)

  • EV÷FCF 165倍、SBC÷売上23%

  • 障害の補償で契約の縮小が増えた。総継続率は数字なし

  • AI による置き換えの懸念(2月20日に −18.4%)

  • Microsoft などのまとめ売り

出典:CrowdStrike の決算発表(Q2 FY27)・10-K、SEC の XBRL、BankInfoSecurity(2月23日)

注目企業:HENNGE

HENNGE:国内のログインの入口

条件

根拠

値崩れしない層でシェア

国内 IDaaS で4年連続1位(自社発表、%は非公開)

データの循環

弱い。ログインの記録を防御に生かす仕組みの記述がない。研究開発費は売上の4〜5%

乗り換えコスト・リスクが高い

社員が毎日使うログインの入口。月次の解約率0.30%。ARR 125.2億円(+16.7%)

  • 数字:PER 約41倍、EV÷売上 約4.7倍(10月30日の終値2,091円)

  • 論点:Microsoft 365 の標準機能と競合する度合いの開示がない

倍率は日本基準の直近12か月で、米国の数字とは比べられない。出典:HENNGE の決算短信・説明資料(8月4日)、有価証券報告書、株探

HENNGE の強みとリスク

強み

リスク

  • 国内 IDaaS で4年連続1位

  • 月次の解約率0.30%(前年0.36%)

  • 純利益 +28.7%(9か月累計)

  • 新プランで EDR・MDR を含む最上位を新設

  • 株価は2月の安値880円から約2.4倍。PER 約41倍

  • 利用者1人あたりの単価が低下

  • Microsoft 365 の標準機能との競合(開示なし)

  • 10月の公募増資で株式数が約3%増

通期の決算発表は11月5日の予定で、倍率はそこで変わる。新プランが既存顧客に効くのは2027年4月の更新から。出典:HENNGE の決算短信・説明資料(8月4日)、株探、日経、ipokiso.com

まとめ

結論の前提はどう動いたか

前提

10月の状況

金利の頭打ち

5.31%から4.94%へ(10月30日)。頭打ちかは判断できない。日米とも据え置き、反対票は利上げ側

景気悪化の兆候

雇用だけ弱い(9月 +2.9万人、失業率4.2%)。GDP +3.4%・CPI 3.7%は強い

選挙後の財政協議

民主党の確率が上昇。12月11日の期限が加わった

中東の分岐

10月下旬に攻撃が続き、ブレント(現物)は123ドル(10月27日)。分岐はまだ見えない

信用不安(新しい論点)

CoreWeave・Oracle に集中、大手は緩やか。AA 格の社債スプレッドは0.67%まで広がった後、0.65%

AI の資金調達(新しい論点)

大手の長期債務が急増。Anthropic は格付けの前に上場を申請

結論の前提はどう動いたか

Important

結論は9月版のまま:今は円建ての短期債・個人向け国債。長期債は金利の頭打ちと景気悪化の兆候を待ち、選挙後の財政協議と中東の分岐を見極める